アメリカを読む3
シーグラムビル
設計:ミース・ファン・デル・ローエ
竣工:1958
街にはミースの贋作が乱立している。
これぞ「ミーシー!」(注:ミースっぽい、ということ)と呼べる条件は、専門的には多々あるのだろうが、とりあえずはこのくらいをおさえておきたい。
1.直線のコンポジションに命をかける
2.とにかく渋い
3.足下の開放感
4.H型鋼は突出させずにはいられない
ベールの向こうには、フィリップ・ジョンソンと協働設計したフォーシーズンズのラウンジが広がるそうな。
フラットアイアンビル
設計:ダニエル・バーナム
竣工:1902
バーナムとは、世界一美しい重厚感を実現する男だ。
ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート
設計:SANAA
竣工:2007
バーナムから100年経つと、建築はこうなる。
ブルジョワ時代の透明なエクリチュールと現代の白色のエクリチュール。
アメリカを読む2
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
設計:フランク・ロイド・ライト
竣工:1959
キャンチ王(注:キャンティ・レバー)ライトの集大成。
キャンチのバルコニーから見下ろすアトリウムはちょっと恐い。
作者曰く、この建築は曇りの日に見るのがよいらしい。
ものと影の関係が逆転するからだ。
第三期のライトといえば、サークル王でもある。
彼は至る所に円形のモチーフを使わずにはいられない。
インスタレーションの関係で有名な天蓋には暗幕がかかっている。
「うーむ。」
グランド・セントラル・ターミナル
設計:ワレン&ウェットモア
竣工:1913
NY最古のオイスターバーを地下に蔵するマンハッタンの玄関口。
大空間の四周に配された錯綜する動線はちょっとおもしろい。
こういう方形の駅は、日本にはなかなかないなあ。
上空にはグロピウス設計のメットライフビル(旧パンナムビル)が鎮座している。